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「何から手をつければいいか分からない」をなくす―企業経営体系図で経営の全体像をつかむ

「経営管理を強化したい」「もっと計画的に経営したい」と感じながらも、具体的に何から手をつければよいのか分からない。経営者の方から、よくいただくお悩みです。

経営管理というと、月次の数字を締めたり、業績管理の帳票を整えたりといった作業を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、経営管理に取り組んで挫折する会社の多くは、この「帳票づくり」だけを切り出してしまい、理念や分析、計画とのつながりを欠いたまま進めてしまっています。

そこで私がコンサルティングの現場で使っているのが「企業経営体系図」です。経営に必要な機能を、次の3つの階層で整理したフレームワークです。

①第1階層「理念体系」:Vision・Mission・Valueで構成される、すべての意思決定の出発点
②第2階層「戦略・計画」:理念を中期経営計画・単年度経営計画という数字と行動に翻訳する階層
③第3階層「経営企画」と「経営管理」:経営診断をもとに事業計画やマーケティング、DXなどの打ち手を組み立てる「攻め」の経営企画と、財務経理・業績管理・組織運営・人事労務・DX/AI・その他の5機能で日々の経営を支える「守り」の経営管理

理念体系がなければ戦略・計画は方向性を失い、経営企画による分析がなければ計画は根拠のない願望になり、戦略・計画がなければ経営管理は実行に移されません。3つの階層は、一本の線でつながっているのです。

経営管理の5機能も、互いに密接に関係しています。たとえば人事の評価制度は、業績管理のKPIと連動していなければ、「評価される行動」と「会社が本当に伸ばしたい成果」がずれてしまいます。経営管理を強化するとは、個々の機能の精度を上げることだけでなく、機能同士のつながりを設計し直すことでもあります。

体系図は、自社の「何から」を特定するための地図です。すべてを一度に整える必要はありません。まずは全体像を一枚で眺め、空欄になっている箇所、つながっていない箇所を確認してみてください。それが、場当たり的な経営から抜け出し、仕組みで成長する会社をつくる第一歩になります。

※拙著『経営の仕組みが、中小企業の成長を加速させる』第2章でも、企業経営体系図の各階層を詳しく解説しています。

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